ブラックコーヒーを飲んだ日。

広告

ここ最近、コーヒーが飲めなくて辟易している。

 

14~18辺りの年齢で覚えたことを人は一生忘れないらしい。誰の言葉だったろうか。一度染みついた習慣を変えるのは容易いことではない。

 

最近、私は大腸の調子がいいことに甘んじているせいで、"コーヒー"と書いてあるモノについ目を向けてしまう。

 

中学時代からブラックコーヒーを嗜んでいたタチであり、高校の頃も勉学のお供として連れ添って来た。持病が発現したその後も、彼を片手にペンを走らせてきた。

大学へ入学した。僕はかつてほど集中して何かに取り組むようなことは無くなった。コストもかかるし、以前ほど集中する必要が無いのでわざわざコーヒーを口にすることは無くなっていった。何よりコーヒーはお腹に悪すぎるというのも理由だ。

 

半年後、僕は持病を悪化させた。"箍"を外したことが原因だ。今までに無く悪化した。原因は色々あるが、ここでは割愛。

 

さらに半年後、体調が好転。半年前はあっさり"死"とか"障碍"とかを意識したが、喉元過ぎればなんとやら。

 

 

 

 

そして今、私は自販機の前にいる。

 

 

 

曇色一枚と褐色二枚を彼のそれに入れ、躊躇なく選択。

 

ガゴンッ

 

カシュ!!!っと蓋を開ける。

 

 

・・・・・ほう

 

 

 

・・・・

 

 

 

そして一口。

 

 

 

 

うまぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ(ry

 

 

これだよ!!!!!!俺が・・・・俺が!欲していたのはこの味だよ!!!!またお世話になるぜ馬鹿野郎!!!!!!!11

 

で、だからどうしたってお話し。

 

 

 ブラックコーヒーだったらなんだっていい。

馴れ初め(笑)は中二の頃。世界で一番頭の悪い時期に差し掛かった彼は自動販売機の黒い円柱物に惹かれる。"黒"=(`・ω・´)カコイイ!!というド低能丸出し脳味噌肥溜めフレンズだったからそこだけはどうか許してほしい。大丈夫。最近は断罪して頭を机に打ち付けてるから(?)。ともかく、苦い飲み物であるという知識は持っていたようだが、その日彼は初めて体験してみようということらしい。

 

初めて飲んだブラックコーヒー。 確かこれ。

 

なんかデザイン変わったなー。

 慣れない味にゲロマズでクソな飲み物と断定して道路脇の排水溝に缶を丸ごと投げ込んだ。なんてロックなんだコイツ。よい子はせめて中身だけ流そうね(あまりそれもよろしくない...?)

 

そして数か月後、中三になった彼はまだ世界一頭が沸いていた。仕方ないね。

 

どういうわけか、彼は再び同じ缶コーヒーを購入した。そして一口。

 

うっまぁああああああああああああ(ry

 

.........うん、わけわかんねぇ...........

 

数か月で頭だけじゃなく舌まで馬鹿になったようだった。以来高校入試まで週に一本のペースで飲んでいた。その間に砂糖入りだ微糖だなんだと飲んできたが、美味しいとは思わないようにし、「苦味こそ至高!」と.........いや、恥ずかしくてなんか死にたくなってきた。

 

つまり中三時点で「苦味=おいしい(^q^)」という公式が頭の中にインプットされてしまった。

 

高校に入学し、高1の時も定期的に摂取していたが、高2になると妙に凝りだした。凝るといっても"どのメーカーのどれが美味しくて、どれが美味しくないか"とかそんな程度のものだが、相当な頻度で嗜むようになってしまった。

 

高2の秋頃、食生活も相当乱れていたのもあり、難病が発現。

 

コーヒーはおなかに悪いと判明したが、飲まずには居られない。拘束されると解きたくなっちゃうのが人の性。

 

高2の冬。センター本番模試後、勉学に励みだす。以来、勉強する際は必ずブラックコーヒーを飲むようになった。ただ、"味を楽しむため"では無く"眠気覚まし"という理由で飲んでいたが。

 

コーヒーを飲んだり飲まなかったりを比較して、学習効率の違いを楽しんだこともあった。結論として「飲んだほうがケタ違いに集中力、効率が良い」となった。

 

色々あって、大学に入学して一年たった。

 

そして今日、久しぶりにブラックコーヒー飲んだ。

 

ペンが走る。

 

 

ただのブラックコーヒーだ。ただの缶コーヒー。

 

 

トランス状態になりながら、僕はペンを走らせることが出来るのか。"ペンを走らす自分"と"それを眺める自分"との二部に思考を分割しているのか。

 

そもそも"それを眺める自分"は誰だ。俺はコイツを知っている。

 

....

 

あぁ....お前か。初めてブラックコーヒーを口にして、排水溝に投げ捨てた中学二年生の彼か。「なんでそんなに不味いものを飲んでいるの?」と言いたげな顔をしてるな。

 

 

....なんでだろうな。

 

 

"それが大人だ"ってのは使い古され過ぎか?そもそもこんな時に似つかわしく無いな。

 

 

そうだな.......たぶん.........成長したんだよ。俺はお前と違って。

 

 

"苦いものを飲める"こと。ただそれだけ。「それは成長?」と言いたげだな。あぁそうだ。これは成長だ。俺は飲める。お前は飲めない。十分すぎるほど差があるだろ?

 

 

ははっ、お前ほんっとお子ちゃまだな.......ブラックコーヒーも飲めないのかよ.........

 

 

ほらほら、あっちへ行った。俺は勉強をしてるんだよ。何泣きそうな顔になってんだよ.......煽り耐性ゼロかよ......あ、どっかいった.......

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

・・・・・・んあ?

 

・・・・・・・・・・

 

なんか面白い夢をみたな・・・・・

 

 

いつの間にか寝てしまった・・・?

 

 

頭でそう思いながら、さっきまで見てた夢を脚色し再構成。

 

底に残ったコーヒーを飲み干し、涎で溶かしたルーズリーフをくしゃくしゃに丸めた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

なんだこれ。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

僕はブラックコーヒーが大好きです。